新聞や雑誌の広告欄では「形成外科」を名乗る美容クリニックを見かけることがあります。あなたは「美容外科」と「形成外科」の違いについてきちんと理解できていますか?ここでは、まず美容整形の基本から入りたいと思います。

「形成外科」とどう違う?

広義の意味では、美容外科は形成外科に含まれますが、両者の根本的な違いは自由診療かどうかによります。ちなみに、美容外科では自由診療、一方の形成外科では保険診療となっています。美容外科のホームページ等でよく見る眼瞼下垂ですが、実は形成外科、さらには眼科でも扱っています。美容外科での診療の目的はあくまでも美容にとどまっており、それに対し形成外科や眼科では症状を解消するために治療を行います。例えば、交通事故で顔面に外傷を負った場合は形成外科での診療となりますが、単に審美性を優先しているだけの場合は美容外科で診てもらいます。

「整形」を冠する整形外科と混同している方もいらっしゃるかもしれませんが、美容外科と整形外科は同じ外科に括られながらも全く別物です。整形外科とは、主に骨格、筋肉、神経系から成る運動器の機能改善を目的に治療する外科を指します。捻挫、骨折、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風等を扱う診療部門であり、そもそも美容外科とは診療領域が全く異なります。また、美容外科が自由診療であるのに対し、整形外科は一部を除いては、原則として保険診療となっています。